スイス原発基本情報

日本の九州に相当するスイスの国土面積には、4カ所に5基の原子力発電所に加えて、研究用原子炉を所持する3つの核研究施設・中間核納施設が存在します。

ここでは、稼働中の原発の詳細、また、世界でも最長に属しているスイスの原発稼働年数に対する環境保護団体の見解を基本情報としてとりあげます。

スイス国内原発所在地

① Beznau I & II  ベツナウ1,2号機

稼働開始: 1971

稼働停止予定: 2052 55年の稼働期間

出力: 365メガワット毎時

年間電力生産量: 6テラワット時(全電力生産量の10%)

所有: Axpo (アクスポ)

徹底した技術的追加装備にもかかわらず、過去において何度も原子炉スクラム(原子炉が緊急停止した状態、または緊急停止させること)が起こしています。2009年度だけでも11回の情報公開義務に値する故障がおきている。2000−2009年度感における同様の故障は44回。

② Gösgen  ゲスゲン

稼働開始: 1979

稼働停止予定: 2040 60年を超える稼働期間

出力: 985メガワット毎時

年間電力生産量: 8テラワット時(全電力生産量の13%)

所有: Alpiq(アルピク), Axpo(アクスポ)、チューリヒ市。運営は Alpiq

規則に従わず、危険な事故の報告を怠ったため、2009年にENSI(国家原子力規制委員会)は運営会社 Alpiqに対して法的処置を行った 20086月には故障した原子炉の再稼働の直後にふたつの重要な安全装置が作動しなかった。この故障の原因を公表しないまま、ゴスゲン原発の稼働は進められた。これは国家安全保障を侵害したものとして、当局の監査官からその軽率さを厳しく批判された。20002009年度間における情報公開義務に値する故障は22回。

 

③ Leibstadt ライプシュタット

稼働開始: 1984

稼働停止予定: 2045 60年を超える稼働期間

出力: 1165メガワット毎時

年間電力生産量: 9テラワット時(全電力生産量の15%)

: Alpiq(アルピク), Axpo(アクスポ)BKW(ベーカーヴェー)。運営は Atomkraftwerk Leibstadt AG (アトムクラフトウェルク・ライプシュタット・アーゲー)

ライプシュタット原発は最新・最大,そして最もコストの高い原発。10億8千万スイスフランと計算された建設費用は最終的には501000万フランに上った。投資したCSFB(クレディ・スイス・ファースト・ボストン)の与信分析では、建設の失敗による206千万フランの巨額損失 は二度と返済される見込みはないと公表。ライプシュタット原発の投資は破綻している。20002009年度間における情報公開義務に値する故障は38回。

 

④ Mühleberg ミューレベルグ

稼働開始: 1972

稼働停止予定: 2025 50年を超える稼働期間

出力: 373メガワット毎時

年間電力生産量: 3テラワット時(全電力生産量の5%弱)

: 所有・運営ともにBKW(ベーカーヴェー)。

原子炉心シュラウトの亀裂が徐々に拡大して いるにもかかわらず、スイスの国民議会である環境・国土計画・エネルギー委員会(略してUVEK)20091221日に同原発に無期限の稼働許可を与えた。外国ではこの初期型の原発はすでに稼働を停止されている。近年さらに原子炉圧力容器にも亀裂が見つかった。20002009年度間における情報公開義務に値する故障は17回。

 

40年の原発稼働は十分

連邦議会と国会は2011年に段階的な脱原発を約束しました。この決定は2050年度を達成目標とするエネルギー戦略に組み込まれるべきでしょう。ところが連邦議会・国会ともに、「安全な限り、原発の稼働は継続されるべき」と主張し、拘束力のある稼働機関を設定しました。

しかし、スイスの原発は世界的にも最も長く稼働している状態であり、私たちは現在すでに実験的な状況にあるのです。


この情報は2013年4月11日に以下の情報源から公開されました。

Greenpeace Schweiz (グリーンピース・スイス):

http://www.greenpeace.org/switzerland/de/Themen/Stromzukunft-Schweiz/Atomstrom/Atomkraft-in-der-Schweiz/